キンカン(中国語では「金棗」で、「金のナツメ」の意味)は形がナツメに似ていることから名づけられました。しかし実際にはミカン類の一種で、正式名を「金柑」といい、宜蘭が主な産地になっています。キンカンは形が円形か楕円形で、色は黄金色で、大きさは親指ぐらいの果実で、皮ごと食べられます。果皮は甘みの中にかすかな苦味があり、食べれば喉が潤います。生津解渴(体が潤い渇きをいやす)の効果があり、消化を助けます。また、加工して砂糖漬けにすれば、一番人気のお土産になります。
台湾はミカンの種類が20種以上あります。風味としては、酸っぱい中に微かな甘みがあり、肉質が柔らかくジューシーなどです。栄養素は、例えばビタミンA、C、B群、そしてナトリウム、カリウム、マグネシウム、亜鉛などのミネラル…を豊富に含んでいます。台湾では晩秋から初冬にかけてが、まさにミカンが熟す時です。そんな時には、熟した黄金色の果実が一面に広がり、どこに行ってもミカンの香りが漂うことでしょう。
台湾のオレンジは普通系オレンジ、ブラッドオレンジ、ネーブルオレンジ、無酸オレンジの4種類に大きく分かれます。オレンジは食物繊維、ビタミンA、B、C、リン、リンゴ酸などが豊富で、ジューシーな口当たりで、甘く香ります。肉質は繊細で、甘さが多く、爽やかなおいしさがします。そして時には酸っぱい中に微かな甘みを感じることでしょう。
台湾の柿は大まかに渋柿と甘柿の2種類に分かれます。渋柿は大きく、形が整っており、渋抜き処理をしてスナックにします。この柿は俗に脆柿と呼ばれます。甘柿は大きく、頂上部にふくよかな丸みがあり少しつぶれた球形です。そして果皮は樺色で、熟すと真紅に変わります。色つやは艶やかで、肉質が繊細であり、さくさくとジューシーで、甘みが強く、口当たりは最高です。甘柿は渋抜きせずに、そのまま食べられます。
台湾のイチゴ産地は、「イチゴ王国」として慕われる苗栗大湖郷に集中していますが、台湾各地にも小規模栽培のイチゴ園があります。イチゴは、柔らかさと美しさで食欲をそそり、多くの人から愛される果物の代表格です。果実は柔らかくジューシーで、みなに好かれる甘酸っぱさがあり、濃厚な香りが漂います。そして、糖質、タンパク質、有機酸、ペクチンなどの栄養物質が大量に含まれています。そしてビタミンCはリンゴ、ブドウに比べても高い含有量を誇ります。
現在台湾ではトマトが50種近くの品種で栽培されており、四季を通じて生産可能です。一般的な品種には黒子柿蕃茄、桃太郎、金童、玉女、チェリートマト...などがあります。台湾のトマトは皮が薄く、ジューシーで、甘さが多いのが特徴です。そしてリコペン、ベータカロテン、ビタミンAとCなどの抗酸化成分を豊富に含み、栄養価が高く、台湾人に非常に愛されています。
台湾ではインドナツメの主な栽培品種は蜜棗で、青リンゴのような形をしています。ナツメの原種は台湾で専門的に改良されてから、果肉が繊細でジューシーに、そしてサクサクで甘く香るようになりました。今では台湾の高級果物の一つとなっています。果皮は薄緑色でつやがあり、ビタミンC、B1及びB2を豊富に含んでいます。とりわけビタミンCは、スイカの5倍、ナシの9倍、リンゴの20倍であり、「ビタミンCの果物」といっても過言ではないでしょう。