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新竹縣

和平部落レジャー農業エリア

山林に属す和平部落の人々は、生活の中にタイヤル族の文化を伝承しています。狩猟から採集、農耕の中まで、自然と共生する智慧を誇りとしているのです。

緑の木、竹林で遮られ、緑のグラデーションが織りなされた一面の緑のじゅうたんが、和平部落レジャー農業エリアのそれぞれの片隅に敷き詰められています。ここに住むタイヤル族の人々は、歌と踊り、音楽や芸術、狩猟や採集、農耕において天賦の才能を発揮しています。日常と自然が共存し、土地と共に行動する息吹を部落のレジャー農業へと溶け込むことで、旅人はこの山林の小さな部落を愛するようになるのです。

和平部落レジャー農業エリア
弓矢は五峰ハンター学校の人気体験イベントの1つです

産地訪問で小規模農家の食材を知る

和平部落の小規模農家たちは祖先が残した土地の上で心を込めて野菜を育て、鶏や魚を飼育しています。和平部落レジャー農業エリアでは、人々にこれらの小規模農家を知ってもらい、栽培方法、食材の生産供給源と環境を理解してもらうために「ロハスな農業・食材の旅」のツアースケジュールを開催しています。食材の旅は盛沢山の内容が楽しめ、2日間のスケジュールに参加することになります。はじめに和平部落レジャー農業エリアのサービスセンター「竹林養生村合作社」に到着すると、タイヤル族の伝統的な服装に着替え、タイヤル族の人々と古調を歌い、地元の麥巴来社の抗日の歴史と祖霊への信仰を理解します。続いてこの食材の旅が再演されます。タイヤル族の人々が地元で育った農産品と、自然にはぐくまれた野生の食材の写真により、人々にこれらの食材の生長の特徴、食用部分と飲食文化が紹介されます。その後伝統的な背負い籠を背負い方の指導を受け、手にナイフ類とビニール袋を手に付近の歩道と農場へと向かいます。山菜を摘み、野菜や果物を収穫し、魚やエビを捕まえて自分自身の昼食を調理します。昼食を食べた後には、麥巴来渓での水遊びを楽しみます。夕方になるとタイヤル族の伝統的な食べ方を体験します。火をおこし、豚肉の串焼きを焼き、サツマイモと竹筒の風味料理を地面で蒸らします。星空の下に座り、タイヤル族の料理を味わいながら、伝統的な古い調べを聴きます。みんなで一緒に来賓を迎える舞を踊れば、日常の生活の中で、得難い部落の生活を体験できます。翌日にはタイヤル族の文化と生活を体験します。「五峰ハンター学校」では原木シイタケの栽培と採取、弓矢を学び、わなの仕掛け方、獣道の巡礼などを体験できます。スケジュールの最後にはアワの餅つきで締めくくられ、体力がつきお腹もいっぱいになります。食材の旅の中で、先住民の生活と文化、耕作の知恵、そして小規模農家で農作物を栽培する際の苦労を深く知ることができます。食事時に目の前の食物をさらに大切に思うようになります。

和平部落レジャー農業エリア
竹林養生村合作社では地元の食材を使っています。特別な味わいで特色があり、おいしいタイヤル族風の料理となります

毎日がうれしいロハスな農業

栽培とは和平部落の農家の人々からすると、自分の家で食べる野菜や果物を生産し供給するだけでなく、果物狩りや野菜の収穫、農業イベント体験の収入源を運営することでもあります。「青葉甜柿園」オーナーの楊鉫鑫さんは和平部落の環境を愛し、山で果樹園を経営することを個人的なレジャーと娯楽としています。果樹を研究するのが好きで、果樹園を実験室として甘柿、キウイフルーツ、樹葡萄(ジャボチカバ)、黄金パッションフルーツとオレンジなど合計約40種類以上の果樹を栽培しています。また自らの力ですべての果樹の手入れをしています。1年を通じて異なる果物を生産しているため、自給自足で余った部分を予約制の果物狩りへと開放しています。「亜富開心農場」オーナーの張伝枝さんはもともと職業軍人でしたが、軍での生涯を終えて部落に戻り農業に従事するようになりました。同時に附近の清泉部落にある張学良の旧居のガイドスタッフであり、五峰ハンター学校の校長でもあります。滑らかな会話と面白い性格の張伝枝さんは、タイヤル族の文化と歴史的な物語の生き生きとした描写を得意として、人々を退屈にさせません。張伝枝さんは部落の義母の指導の下で甘柿、オレンジと高冷地の野菜を栽培し、観光客向けの収穫イベントへと開放しています。この田園で自ら育てた野菜や果物を見れば心の中も充実し、毎日顔には満面の笑みが浮かび農場を「開心農場(心楽しい農場)」へと変えています。

和平部落レジャー農業エリア
楊鉫鑫さんは果樹の栽培を心から愛しています。平地からやってきて和平部落で青葉甘柿園を経営しています

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張伝枝さん(右)は面白くユーモアにあふれています。亜富開心農場を訪れる人は皆、張伝枝さんのせいで大笑いすることになります

山林により育まれた先住民の伝統的な食材

和平部落のタイヤル族の祖霊を祀る場の上部にある「戈巴侖」は、千本以上の杉の木が広範囲にわたり植えられています。戈巴侖のオーナー林祥馨さんは林の木陰に9千株の山蘇(オオタニワタリ)を栽培しています。太陽の光が差す斜面には馬告(リトセア)、紅刺葱(カラスザンショウ)などが植えられ、タイヤル族風の料理に欠かすことのできない食材となっています。山蘇(オオタニワタリ)は部落の料理でよく見られる野菜で、素早く炒めるとシャキシャキした口当たりが楽しめます。紅刺葱(カラスザンショウ)は濃厚な香りがあり、肉類の煮込みやスープに組み合わせると風味がすぐにレベルアップします。馬告(リトセア)は山胡椒とも呼ばれ、タイヤル族の人々の食に欠かすことのできない調味料です。

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林祥馨さんは戈巴侖の杉林の隣に先住民がよく用いるカラスザンショウを栽培しています

美味しさが上乗せされたマス料理

和平部落の谷燕渓の上流には、誰も住んでいません。緑の林が密に茂り、涼しく汚染されていない水源です。「谷燕鱒漁場」のオーナー葛汝誠さんの父親はこの清潔な水源を利用して、同じようにきれいな水質を愛するマス、オセトラを養殖してレストラン向けに販売していました。後に葛汝誠さんが父親から養殖事業を引き継ぎ、食事処を増設しました。夫妻は両手に玉杓子を握り、自ら創作したマス料理を販売しています。マス料理の極めて優れた味わいは、人々からの称賛を獲得しています。谷燕のマスは卵のふ化、飼育から成魚まで約2から3年かかります。葛汝誠さん夫妻は毎日魚を生け捕りにして、その場で作った刺身、蒸し魚のおろしニンニク添え、フライ、馬告(リトセア)で調理するなどの方法により魚の肉質の柔らかな食感を表現しています。また馬告(リトセア)と塩を利用して丸ごと漬け込み、真空パックで塩漬けマスの手土産を作っています。家に持ち帰った後、油でいためたり、蒸したりすれば同じようにマスの美味しさを味わうことができます。

和平部落レジャー農業エリア
おろしニンニクを蒸したマスの切り身に添えれば新鮮な美味しさで、美食家が指定する料理になります