1999年の台湾大地震で石岡区の田媽媽（ティエンママ）のメンバーたちの家は倒壊した。メンバーたちは仕事を失ったが、それまで培ってきた経験を生かして、明るく、勇敢に再出発を図り、逆境の中での危機を好機に変えてきた。女性たちは地震で崩れた家や畑を前にして、状況に適合する柔軟性を発揮し、笑顔と信念を忘れずに、「石岡伝統美食小鋪」を旗揚げし、店の看板を守り続けてきた。
紅糟桂圓米糕（紅麴とリュウガンのもち米おにぎり）
店は農会のとなりに開設されており、客家のお母さんたちの伝統の味を楽しむため、予約してから来店する客が少なくない。この数年では、自家製の紅麴がヘルシーな食材のベースになっており、様々な風味のデザートが考案されてきた。100%手製の「紅糟桂圓米糕」は乾燥リュウガンを紅麴と酒で炒めて香りを出してから、最後に蒸したおこわのおにぎりに混ぜた料理である。もち米は炒めるとコシが出る。紅麴には米粒を柔らかくする作用があり、噛むごとに香りが増す。おこわは冷めても硬くならないので、冷めてもおいしく、作り立て同様の味を気軽に楽しめる。
紅麴酔鶏捲（紅麹酒漬け鶏ロール）
食通は地元の客家きしめんに加え、紅麴酔鶏捲と当日の作り立ての小皿料理を必ず注文する。メンバーたちは家族に出すように料理を作り、減オイル、減塩、減糖に心がけている。また、顧客に十分満足してもらえるよう、滋養に富んだ自家製の紅麴を使用して、料理の栄養価を高め、豊かな味を提供している。
蜂巣蛋糕（ハチの巣ケーキ）
「蜂巣蛋糕」（ハチの巣ケーキ）は田媽媽のメンバーによる創作ケーキで、伝統的な蒸しパン（ファーガオ）とハチミツケーキの材料を混ぜて、蒸す代わりに、焼き上げた料理である。ケーキの本体はハチの巣状でふわふわしており、濃厚なミルクの香りとカラメルの風味にあふれ、石岡の名物になっている。ママレードと梅の塩漬けはお土産にできるので、家族も田媽媽のメンバーの味を楽しめる。
