この奥深い山間の花園に入って大自然を感じたいと思うなら、大きく深呼吸するのを忘れないでほしい。敷地内には数え切れないほどの花やハーブが植えられている。ハーブを使った手料理が得意な田媽媽(ティエンママ)メンバーの徐莉華(シュ・リーホア)さんは、「新鮮なハーブを食材に加えて調理すると、植物自体の香りを最もよく味わえる」と語っている。
花栽培農家からレストラン経営への転身を振り返ると、すぐに挫折を経験するのは避けられなかったが、徐さんは積極的に料理やコーヒーの挽き方を学び、営業許可を取得し、田媽媽の授業で学んだ技術や知識を活用してきた。今では、食材の選択や料理の味付けに独自のこだわりを持っている。徐さんの入れる絶妙なコーヒーのせいで、毎朝山を登ってコーヒーを飲んでから、山を降りて仕事に向かうことが近所のお母さんたちの習慣になっている。ここでは、日中は蝶や渡り鳥を観察し、夜はカエルやセミの鳴き声を聞いたり、ホタルを探したりと、四季を通じて自然の様々な側面を堪能できる。
徐さんは心やさしいロマンチストなので、食事は楽しい雰囲気の中で進む。クラシック音楽が流れる店内では、食欲が特に刺激され、消化も促進される。紅麹クッキーやナツメの蜂蜜漬けなどの手作りのデザートはすべて持ち帰りができる。店内のハーリーポッターの人形は檳榔の木から作られており、秘密花園では至る所に廃物利用の精神が発揮されている。
「迷迭香鶏腿」(鶏モモ肉のローズマリー焼き)や「香茅東坡肉」(レモングラス入り豚バラ肉の角煮)といった中華の食材を使った西洋料理はどれも徐さんの得意メニューである。「招牌客家醤鴨」は醤油漬けのように見えるが、鴨を蒸した後、客家の米味噌で煮込んで味をしみ込ませるのがおいしさの秘密である。レストランの裏にはレストラン所有の菜園があるので、無農薬栽培の新鮮でヘルシーな食材を顧客に提供できる。
徐さんは、夏休みにはいつも秘密花園を訪れて「星明りの下での秘密の宴」に出席するように友人たちを招待している。招待状には、「炎天の夏は心身をリラックスさせる必要があります。野に赴き自然の風に吹かれ、大自然の奥深さを感じてみませんか」と記されているという。秘密花園の中で鳴くセミや鳥の声に耳を傾け、やさしいそよ風を肌で感じてほしい。