新竹県新埔鎮はヤマモモ、紅李干し柿、茂谷ミカン、高接ナシを豊富に生産し、「新埔鎮農会美食坊」は一面の緑豊かなこの大水田地帯の傍らに位置している。テーブルの上には、熱心なお母さんたちが手作りした昔ながらの老菜脯（ダイコン）や花瓜（キュウリ）の漬物、工夫に富んだフルールキムチが前菜として並び、ゲストの食欲を刺激するとともに、まもなく運ばれてくる客家料理の序幕を開くものとなっている。
おばあさんの詹荘（チャン・ジョアン）さんが伝統の方法を守って漬けたダイコンの漬物（老菜脯）は暑さを抑え、血糖や血圧を下げる効果がある。また、炒め料理のほかに、鶏スープや粽（チマキ）に加えたりできる。口に入れたときは少ししょっぱく感じるが、甘い余韻が残る。また、フルーツキムチは、カボチャ、リンゴ、レモン、パイナップルなどの野菜や果物を使って自然発酵させて作り、防腐剤などは全く含まれていない。少し酸味のある辛味の中に、自然の果物の甘さが隠れている。
野草と山ワラビを使った「野菜山蕨」、紅コウジとサンショウと塩をまぶしたリブ料理の「紅麴椒塩肋排」、地元のフナを使った「客家土鯽魚」はここの自慢の客家料理である。「時来運転琉璃湯圓」は田媽媽（ティエンママ）たちの力作で、新鮮な野菜と果物（カボチャ、紫米、ほうれん草、山芋）のジュースを使って団子のスープ（湯圓）に色鮮やかな色彩を施した料理である。客家地域特産の「柿餅」は気管の治療効果があり、お汁粉の代わりに「柿餅」を使うことで、新埔の客家の味わいがさらに演出される。