島を一周するように走っている台湾の鉄道です。時には緑豊かな大自然の中を走り、時には見わたすかぎりの海原を眺めながら走ります。その車窓の美しさは広く知られており、今や台湾の鉄道を愛するファンが世界中にいます。ここでは路線別にその車窓をご紹介しましょう。
西部幹線(基隆~高雄)
基隆を起点に台北や新竹、台中、嘉義、台南を経て高雄へ続く西部幹線は、台湾の大動脈です。産業施設や住宅地、そして田園風景まで、めまぐるしく車窓が変化します。また、数多くの列車が行き交っているので、とても賑やかです。
車窓は取り立てて絶景というようなところはありませんが、住宅地にも工業地帯にもどこか台湾らしさが感じられるのがこの路線の特色です。走る列車のバリエーションが豊富なのも興味深いポイントです。また、木造駅舎が残っている駅もありますので、途中下車をしてお楽しみください。
東部幹線(八堵~台東)
台北から花蓮、台東方面へ向かう東部幹線は、のどかな車窓が自慢です。列車は八堵駅で西部幹線へ分岐します。瑞芳付近では山岳地帯を走り、花蓮から南へは豊かな農業地帯を走ります。迫ってくるような中央山脈の山壁も見事な眺めです。
まずは瑞芳付近の渓谷美です。台北からわずか一時間で、これだけの渓谷を楽しめるのは台湾ならではと言えるでしょう。福隆の先にある草嶺隧道を越えると今度は太平洋の大海原が見えます。その先にからは蘭陽平野の穀倉地帯を駆け抜けます。
花蓮から台東までは、のんびりとした車窓が続きます。台湾東部の美しい自然を堪能できる路線です。本数は多くないですが、どの駅で降りても途中下車は楽しそうです。