:::
屏東縣

大武山麓で自然の生態系と共存する有機パイナップルの銘泉生態休閒農場

屏東の美しい山あいを通り、雄大な大武山を片方に仰ぐ県道185号線の沿道には、パイナップル畑が延々と連なる景色があります。そこは人と自然の生態系が共存する秘境となっており、明泉生態休閒(レジャー)農場が有機パイナップルを栽培しています。

農場オーナーの呉堅銘(ウー・ジエンミン)さんと妻の謝美蓮(シエ・メイリエン)さんは、自然にやさしい有機パイナップルと紅藜(レッドキヌア)の栽培を開始し、自然の草木と共存するパイナップルをテーマにした農場を完成させました。呉さんの家では3世代60年以上にわたってパイナップルを栽培してきました。父親は早くから有機パイナップル畑の基礎を築き、自然農法、ありのままの風味、安全性を重視して、化学肥料に代えて有機肥料を導入しました。その結果、風味豊かな良質のパイナップルの生産が可能となり、日本に出荷する最初のパイナップル農家として、「神農獎」を受賞しました。

大武山麓で自然の生態系と共存する有機パイナップルの銘泉生態休閒農場
(圖說:銘泉農場の有機パイナップルの中で最も人気のある金鑽パイナップル。)

呉さんは2003年から、有機パイナップルの栽培を徐々に進めてきました、最初は土地の3分の1から始め、現在では28ヘクタールまで拡大しています。2020年にはすべての畑が「有機認証」を取得した特別エリアになりました。

大武山麓で自然の生態系と共存する有機パイナップルの銘泉生態休閒農場
(圖說:銘泉農場のパイナップル畑では草木が共存している)

長年の努力の結果、環境と生態系のバランスが保持され、多くの動物を呼び込むことに成功し、自然と調和したレジャー農場が完成しました。農場では、パイナップルの収穫体験や親子で楽しめるパイナップル製品の手作り体験を開催しています。また、パイナップルをベースにしたおいしい土産製品の開発、農場の慎重な整備計画、観賞用および食用の様々なパイナップルを使ったガーデニングなどを行っており、どのコーナーも多くの賑わいを集めています。

大武山麓で自然の生態系と共存する有機パイナップルの銘泉生態休閒農場
(圖說:緑とあらゆる種類の生態系に囲まれた農場では、隅々まで整備が行き届いている。)

訪問当日は農場のオーナーが生態系を解説してくれました。空を見上げるとトビが飛んでいました。トビはパイナップル畑でネズミを捕まえてくれる頼もしい警備員で、夜の警備はフクロウが担当します。ネズミが大胆不敵に畑を荒らさないよう、警備は昼と夜のシフト制です。

大武山麓で自然の生態系と共存する有機パイナップルの銘泉生態休閒農場
(圖說:空中で旋回するトビはパイナップル畑の優秀な警備員。写真提供::銘泉生態休閒農場)

銘泉農場の生態は多彩です。夜は生態池で台北赤蛙(台北カエル)が合唱し、国宝の五色鳥(ゴシキドリ)やキツツキが群れをなし、多種多様なチョウ、数十種類のトンボ、野生の蜂が忙しく飛び回っています。環境汚染のバロメーターとなる人面蜘蛛(オオジョロウグモ)が木々の間に網を張っています。まるで屋外の自然教室に足を踏み入れたかのようで、豊かな生態系の美しさに目を奪われます。

大武山麓で自然の生態系と共存する有機パイナップルの銘泉生態休閒農場
(圖說:手のひらよりも大きな人面蜘蛛は実際には非常におとなしく、蚊などの虫を捕食する。)
大武山麓で自然の生態系と共存する有機パイナップルの銘泉生態休閒農場
(圖說:農場内ではアゲハチョウが飛び回っている。写真提供::銘泉生態休閒農場)

農場内の畑には様々なパイナップルに加えて、夏は穂花棋盤脚(サガリバナ)、冬は垂枝茉莉(クラリンドウ)、錫葉藤(ペトレア)、巨大な鹿角蕨(ビカクシダ)や亀背芋(ホウライショウ)、空気鳳梨(イオナンタフエゴ)、コーヒーの木など季節ごとに花を咲かせる多様な植物が植えられています。冬季に最も人目を引くのは太陽の下でオレンジ色の花を輝かせる陽傘花(チャイニーズハット)の棚です。農場のオーナーによる行き届いた手入れにより、息を呑むような美しい光景が演出されています。

大武山麓で自然の生態系と共存する有機パイナップルの銘泉生態休閒農場
(圖說:陽傘花の棚の下では、だれでもインスタ映えする写真が撮れる。)
大武山麓で自然の生態系と共存する有機パイナップルの銘泉生態休閒農場
(圖說: 歩道全体を覆う空気鳳梨(イオナンタフエゴ)の松羅(サルオガセ)が風に揺られて、とてもロマンチック。)

また、農場内には子供たちが走り回われる広い芝生エリアがあります。親は傍らのパラソルテーブルで椅子に座って、おいしいパイナップルティーを飲みながらリラックスできます。

また、農場内には子供たちが走り回われる広い芝生エリアがあります。親は傍らのパラソルテーブルで椅子に座って、おいしいパイナップルティーを飲みながらリラックスできます。

大武山麓で自然の生態系と共存する有機パイナップルの銘泉生態休閒農場
(圖說:農場の広い芝生で、子供たちは好きなだけ走り回れる。)
大武山麓で自然の生態系と共存する有機パイナップルの銘泉生態休閒農場
(圖說:農場では様々な飲み物や軽食を提供している。お薦めはパイナップルを使った甘酸っぱいフルーツアイスティー。)

生態池エリアには台北赤蛙の家があり、様々なトンボ、スイレン、水生植物なども生息しています。子供たちはここで小さな生態学者になれますが、水深の浅いところばかりではないので、注意が必要です。

パイナップルをテーマにした農場で最も目立つのは広い芝生の傍らにあるパイナップルハウスです。パイナップルハウスは伝統的な手法を用いて手作業で構築されています。骨組みはお飲み竹でできており、籾殻、石灰、麻の繊維を混ぜたものを利用して、漫画の深海もあるような大きなパイナップルが作られています。外見がかわいらしいだけでなく、内部には台北カエルの成長過程が分かるようになっているので、驚きに満ちた発見ができます。

大武山麓で自然の生態系と共存する有機パイナップルの銘泉生態休閒農場
(圖說:パイナップル畑の傍らには、子供たちの探検基地となる魔法のパイナップルハウスがある。)
大武山麓で自然の生態系と共存する有機パイナップルの銘泉生態休閒農場
(圖說:パイナップルハウスの中で台北カエルの成長の秘密を発見した子供たち。)

子供でも自分でピザを作れる鳳「藜」ピザの手作り体験に参加しました。体験教室は非常に清潔で明るく広々としており、40人まで参加できます。事前予約が必要ですが、材料は農場が全部準備してくれるので気軽に参加できます。
鳳「藜」ピザの最大の特徴は、生地にレッドキヌアが加えられていることです。これにより、生地がきれいな赤いバラ色になるので、食欲をそそり、栄養価も上がります。説明にしたがって、平らに伸ばしたレッドキヌアの生地の上にすべての材料をトッピングしていきます。トッピングで絶対に忘れてならないのは、銘泉自家製の有機パイナップルです。焼きたてのピザは熱々で最もおいしく食べられます。甘酸っぱいパイナップルにチーズが絡まり、子供でも一人でペロリと平らげられます。

大武山麓で自然の生態系と共存する有機パイナップルの銘泉生態休閒農場
(圖說:農場が準備してくれた材料。右上の赤い材料がレッドキヌアを入れた生地)
大武山麓で自然の生態系と共存する有機パイナップルの銘泉生態休閒農場
(圖說:明泉自家製のレッドキヌアは栄養豊富。写真提供::銘泉生態休閒農場)
大武山麓で自然の生態系と共存する有機パイナップルの銘泉生態休閒農場
(圖說:自分だけのピザ作り。パイナップルが味を引き立てる)
大武山麓で自然の生態系と共存する有機パイナップルの銘泉生態休閒農場
(圖說:甘いパイナップルを加えると、子供でもおいしく食べられる。)

食後、向かい側の有機パイナップル畑のエリアにもう一度行ってみました。成長中のパイナップルは日光から保護する必要がありますが、帽子をかぶれば太陽の強い光から守られます。草と共存する有機パイナップルには除草剤が使用されていないので、子供たちが畑に足を踏み入れても安心です。

大武山麓で自然の生態系と共存する有機パイナップルの銘泉生態休閒農場
(圖說:パイナップルも日光から保護する必要がある。帽子をかぶったパイナップルはかわいらしく見える。)
大武山麓で自然の生態系と共存する有機パイナップルの銘泉生態休閒農場
(圖說:有機農地では、子供たちが畑を移動しても農薬の付着を心配する必要はない。)

農場を離れる前に、銘泉農場限定のおみやげを求めるのを忘れないでください。パイナップルの特徴を生かして、最大限の風味を味わえるように乾燥させた有機パイナップルは、砂糖を一切加えずに、自然乾燥させたパンナップルそのものの味が楽しめるおやつです。
また、中に金鑽パイナップルを挟んだクッキーは、金鑽パイナップル独特の甘酸っぱさとクッキーの香ばしさに少量のラム酒がアクセントになり、最も人気のあるみやげ品となっています。

大武山麓で自然の生態系と共存する有機パイナップルの銘泉生態休閒農場
(写真提供:銘泉生態休閒農場)

農場では、パイナップルケーキ、パイナップルジャム、パイナップルビネガー、パイナップルアイスキャンディー、防虫剤など、パイナップルを使用した多数の製品も販売しています。農場のこうした誠意と成果をおみやげとして持ち帰えれば、心温まる思い出となるのに違いありません。

銘泉生態休閒農場

住所:屏東県瑪家郷佳義村114-6号
電話:08-7990220
Facebook:https://www.facebook.com/mcf5168