地元の特産
大慶製香
100年以上の歴史をもつ老舗の「大慶製香」のお香作りは150年前に始まり、一族に代々伝承されてきた。お香作りでは、竹芯に水を十分含ませ、粘土状にした最初の層を土台に、一本一本の竹芯に香粉を付着させ、棚に載せて陰干ししてから、中庭で天日干しにする。
大慶製香は、国内外の様々な香料を研究し、独自の配合方法で天然の香料や漢方薬の素材をブレンドして、水沈香、烏沈香、檀香、特級料香といったお香を製造している。
お香の手作り体験では、昔はお香で時間を計り、病気の利用に伝統文化があったという説明を聞き、お香に点火できる。帰る頃には、お香の匂いが身体にしっかりと染み付いている。
頂菜園農村博物館
頂菜園では、スタッフのガイドで、まるで時間のトンネルに入ったかのように、農村の習慣や言い伝えを学び、実際に農地に入って作物の収穫を体験できる。その後、ベンチに座ると、割稲飯が配給される。作業の後に食べる味は格別である。
博物館にある古物はすべて、頂菜園のオーナーの収集品で、オーナー1人の努力で、小規模な農村が形成された。オーナーによれば、「園内のものはすべて今でも使用可能で、接触厳禁の骨董品ではない。長く使えば使うほど愛着が増す」という。ここでは、台湾の農村の記憶と、忙しい生活の中で失われてはならない人間本来の情愛が大切にされている。
板陶窯交趾陶剪黏工芸園区
展示、教育、体験、工芸を組み合わせた台湾初の芸術文化博物館で、展示と体験を通じて優れた伝統芸術をより多くの人々に伝える工芸の重要な拠点となっている。
ガラス窓越しに、職人が「練り」「積み」「成形」「貼り」「彫り」「書き」の6つの専門技法を駆使して、釉薬を美しく塗り、廟に飾る温かく色鮮やかな交趾陶(交趾焼)を焼き上げる作業を見学できる。見学者はガラス窓の外で、様々なモザイクタイルを剪黏(切り貼り)して、好みのデザインのモザイクアートを体験できる。
巨大ウォールアート《原郷四季》
ここの集落では、交趾焼と剪黏の技術を融合し、数百本の酒瓶や2万個以上の陶器茶碗を使って、キャンバスに見立てた堤防に、季節ごとに姿を変える苦棟(センダン)を表現した「原郷四季」(故郷の四季)という大規模な作品を制作した。
自転車で集落を巡ると、春はきらめく白い花、夏は濃厚な緑、秋は収穫、冬は落葉し索漠とした枝といった、人生の四季を彷彿とさせる全面が剪黏と交趾焼の見事な花の壁が突然出現し、細部に宿る職人の絶妙で独創的なこだわりに感銘を受ける。
復興鉄橋
日本統治時代に構築された、雲林の北港と嘉義の新港を結ぶ木造の「北港渓橋」は、サトウキビを運搬する糖業鉄道としてだけでなく、両岸の人々に愛される思い出の橋ともなっている。
1951年に修復され、「復興鉄橋」と改名されても、両岸を繋ぎ、両方の住民の文化、信仰、生活を強く結びつける拠点となっている。
笨港水仙宮
この廟に足を踏み入れると、歴史的建造物のもつ威圧感はなく、むしろ古くて飾り気のない親しみやすさゆえに、時間さえも静かにゆっくり流れていくのを感じされる。周りに目をやると、床の赤いタイルは磨り減っており、木造の骨組みには精巧な彫り物が施され、壁のレリーフは白く色落ちしている。廟には、大禹帝(禹の皇帝)、楚王の項羽、伍子胥(ごししょ)、屈原(くつげん)、公輸盤(こうしゅはん)といった、いずれも治水で功を成し、水運に依存する地元住民の生活を守ってきた「水の仙人」たちが祀られている。
上に目を向けると、いたるところが剪黏や交趾焼の精緻な作品で飾られている。職人の技と古廟の融合に魅了され何度も足が止まり、夕暮れの光の中で時の流れに身を委ねてしまう。