文/ エディター・郭雪瑤、ネットニュース記者・Libra Shen 六十石山の名称の由来ですが、昔というと、一甲(約1へクタール)あたりのお米の収穫量にあると言われています。通常は四十~五十石なのですが、この山の水田では約六十石のお米が取れたため、六十石山と名付けられました。この山と赤柯山は花蓮における金針花の二大栽培地で、毎年8月から9月にかけて、金針花が咲き誇る時期が景勝地の一つとしてもっとも人気があります。 鑑賞目的に富里農協が手配した車に乗り、省道台9線から六十石山産業道路へ行きます。延々と連なる山道を過ぎると、総面積300ヘクタールに及ぶ無限に広がる金針花の海へ到着します。上の写真のように美しく広がった風景に、誰もが心が晴れ晴れとして爽快な気持ちになります。 山には造形が異なる10個の涼み台があり、金針花の種類や優美な名称が付けられています。その中で、もっとも人気のあるのが「プチスイス展望台」。旅行客はもっとも気に入った場所で、花東縱谷と六十石山の美しい風景を俯瞰することができます。ここは、多くの写真愛好家から愛される素晴らしい景色です。花蓮県富里郷東側海岸山脈の六十石山は、元々は阿美族が生活する場所でしたが、1959年8月7日に発生した八七水災で嘉南平原は大きな被害を受け、この一帯に住んでいた雲林の人たちは家族を携えて、六十石山に移り住むようになりました。移民者の割合は六十石山の人口の8割を超え、雲林の人たちは、古くは閩南(福建省南部)からの移民であったため、六十石山は「雲閩」とも言われるようになりました。現在、阿美族の多くがその他の地域に移住したとはいえ、六十石山の達蘭埠部落は依然阿美族発祥の地として、世俗を離れた昔からの独自な雰囲気を保ち続けています。現在は保留区に指定され、外国人は許可なく立ち入ることはできません。 山中生活の幸福:益順休閒農莊 今回の旅は『益順休閒農莊』で食事をいただきました。ご主人の林春和さんは父親について雲林から六十石山に移民してきた人の一人です。六十石山は平地とは異なりお米の栽培が容易ではなく、お米の収穫後は人手を使って麓まで運ぶ必要があった上に、物は重く道は遠いため、どうすれば最も軽く物を運ぶことができ、また多くのお金を得ることができるのかを考えた結果、金針花を植えることにしました。当初は、どこの農家も収穫した金針花を乾燥させた後、山を下り金針花を販売していましたが、近年、花東の観光業が大幅に成長し、観光客の増加と共に、金針花製品の販売は六十石山が中心となっています。六十石山はレジャーと農業に重点を置いた観光地に変貌しています。しだいに多くの人が金針花の収穫時期より前に壮麗な金針花畑を鑑賞にやってくるようになり、旅行者の要求に応える形で、この地の人たちは民宿やレストランの経営を始めました。そのため、旅行者は花の観賞の他に、金針花のおいしい料理を味わったり農村での生活を体験したりするようになりました。『益順休閒農莊』の林さん一家の場合、雲林から花蓮に定住後、三代にわたって発展。息子の林俊傑さんは金針花のほか、お茶の栽培も始め、多くの賞を獲得しています。 農場から食卓へ:鉄掌櫃茶舍 『六十石山発展協会』を設立した林さん、ほとんどの観光客に対し、さらに奥へ入り『鉄掌櫃茶舍』で昼食を取ることを勧めます。ここでは、小麦粉をまぶして揚げた淡泊で香りのよい金針花の天ぷらや、深い味わいで香りが濃厚な金針花の鶏スープなど、金針花を用いた料理がいただけます。さらに、『鉄掌櫃茶舍』は「農場から食卓へ」の精神で、金針花と野菜は全部自家栽培。鶏肉もご主人自らが育てた地鶏を提供しています。 天然資源を活用:羅山オーガニック教育園区 六十石山を下り、さらに南に向かうと、台湾第一のオーガニック村『羅山オーガニック教育園区』に着きます。滝があり、大魚池、泥火山など見所が豊富なため、「ミルクと蜂蜜の園区」(豊かな資源があるという意味)と呼ばれることもあります。ツーリストセンターのそばでは、ご当地の農産品だけでなく、羅山村のもっとも人気のある「泥火山」豆腐やその関連製品が売られています。大魚池は羅山村のホットスポットの一つです。山の中腹に位置する断層池で、またの名を大埤塘と言います。元々ここは沼地で、元から居住する人たちは水を引いて池を作り、灌漑水田を作り、魚を養殖していました。この頃、歩道や涼み台を建設し観光客は景観を楽しむことがでるようになりました。 羅山村には、今でも泥を噴出している泥火山がいくつかあります。これは特殊であまり見られない景観です。自宅に泥火山の噴火の痕跡がある村民も少なくなく、天然ガスを自宅に引き込んで自然エネルギーとして利用しています。 昔、羅山村の人は噴火後の泥水を使って泥火山豆腐を作っていました。本来の技術はすでに失われていますが、。近年、復興に対する村民たちの努力と探求の結果、自家製の泥火山豆腐を作る農家が増えてきています。体験されたい場合は、農家の方に準備していただくよう事前予約をしてください。 海岸山脈の断層で形成された「羅山瀑布」(羅山滝)は、高さ120メートル、上下二層に分かれています。地勢は険しく、周りは原生林に囲まれています。残念なことに、今年の風災で歩道がしばらく閉鎖されることになりましたが、周りの景色は優美で、依然多くの観光客を惹きつけています。六十石山の美しい金針花畑では、先人たちにとらわれず、一から始める苦難を恐れない精神。羅山オーガニック教育園区では、現地の村民たちの古い文化を保存しようとする努力や天然エネルギーを活用する姿勢を。今回の旅を通じ、自ら幸せを開拓するということは思っていたほど難しくはないということに、改めて気づかされました。 益順休閒農莊 住所:花蓮県富里郷竹田村25鄰15号電話:(03)882-1123、(03)882-1513、0911-862363URL:http://www.goto60.com.tw/about.htm 鉄掌櫃茶舍 住所:花蓮県富里郷竹田村源和路11-1号電話:(03)882-1670、(03)882-1051、0928-572808URL:http://golden60.myweb.hinet.net/ 羅山オーガニック教育園区(羅山オーガニック村) 住所:花蓮県富里郷羅山村9鄰15-1号電話:(03)882-1189