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麻糬

麻糬

麻糬(お餅)はその昔、台湾では「豆糬」と呼ばれていました。後に、日本統治時代に和菓子など、日本の影響を受け、「麻糬(台湾語で「もあちー」と発音)」と呼ばれるようになりました。「麻糬」は台湾原住民族と客家人の食文化を代表する食べ物の一つです。「杜侖」というアミ族の人たちが作るトウモロコシのお餅は、やわらかくて弾力性に富み、餡に何も入れないのが特色となっています。
近年、名を馳せているのが花蓮の「曽姓麻糬(曽さんのお餅)」です。これは客家人の餅を代表する存在です。曽さんという老人がかつて台湾西部から花蓮へ移住してきた際、移動の途中で餅を売って生計を立てていたことにその起源があります。彼は客家人の伝統をしっかりと受け継ぎ、手作りの餅を作っていました。まずはもち米をすり潰し、それを上から押し潰して乾かし、「糯粄」を作ります。これを投げたり、揉んだりという作業を繰り返すと、しっとりとやわらかい餅ができあがります。弾力性があり、歯につくことがなく、餡の食感もしっかりと感じられます。これは地元の人たちに受け入れられ、現在は花蓮の特産品の一つとなっています。