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苗栗縣

旧山線レジャー農業エリア

山で過ごす歳月は自由自在で快適です。青年や新たな移民がここに足を落ち着け定住し、自ら野菜や果物を栽培して食農教育を推進しています。自分に幸福を与え、他人にも幸福を分け与えているのです。

旧山線レジャー農業エリアは苗栗県三義郷の勝興村と龍騰村に位置しています。「旧山線」鉄道がここを経由していることから、レジャー農業エリアにこの名がつけられました。地元の山間部では苦茶油、酸菜、福菜、梅乾菜、モモ、プラム、オレンジなどが主に生産されています。地元の小規模農家では客家の郷の文化と特色ある農産物を普及させるため、「晒福菜」イベントを考案しました。「晒福菜」を主体として、レジャーや旅を結び付けて発展させ、後に「晒幸福伙房」を設立して食農教育を推進しています。小規模農家のゆっくりとした歩みの生活を主張し、村民の公社などを設立することで、調和と共存の「スローシティ」へと集結させています。「スローシティ・小規模農家・幸福を照らす」が共通の目標となっています。農村のスローライフと幸せを体験するのに、旧山線は絶対に最良の選択です。

好珈農荘ではレモン、ワイルドオレンジ、レモングラスのアロマオイルから選んで、アロマオイル入り手作り石けんのDIYを体験できます

幸せなスローライフの自然農荘

「好珈農荘」は旧山線で最も有名なランドマーク、龍騰断橋附近の谷に身を潜めています。好珈を訪れる際に田畑の小路を歩くと、まるで桃源郷を探しに行くかのようで、シンプルなスローライフが好きな人々を惹きつけています。ナチュラルな田園ライフを愛する好珈のオーナー一家と一緒に農荘での幸福なスローライフを体験できます。好珈のオーナー廖玉仙さんはもともと撮影に従事していました。後に日本の長野県で田舎でのワークエクスチェンジを経験しました。そこで農作業と耕作を体験したことが故郷に戻り父母と農荘を経営する決心を促したのです。廖玉仙さんは「好珈で栽培している台湾コーヒー、野菜はどれも化学肥料と農薬が使用されていません。栽培すればするほどより自然で優れたものとなります」と述べています。
好珈では食農教育を重視しています。農業を楽しむことを通して、人々が食べ物がどのようにしてやってきたのかを理解てくれるよう願っています。ここでの野菜収穫DIYでは、野菜園での野菜の収穫を楽しめます。廖玉仙さんは「私たちがお客様に提供している野菜はどれも新鮮で摘みたてです。これらの過程で土地、植物と食材を知ることができます」と述べています。このほかコーヒーの焙煎DIYを通して、いかにしてコーヒー豆を焙煎し、ドリップ、コーヒーを味わうかを指導しています。好珈でのカリキュラムと時間を過ごせば、正確にコーヒーをドリップするテクニックがもたらされます。家に帰っても農荘と同じようにおいしいコーヒーを味わうことができるのです。ここれこそが三義スローシティで推進するスローライフ、スローフードの概念です。言い換えるならば好珈で推進しているのはシンプルで幸せなスローライフであり、すでに多くの人々からの支持と信頼を勝ち取っているのです。

好珈に来れば農荘のオーナーと一緒に田んぼで野菜を収穫し、農業に従事する生活の面白さを体験できます

地元の食材によるメニューのない料理を楽しむ

「喆娟夢田」のオーナー邱喆娟さんは、もともと台中でレストランを経営していました。忙しい中で気晴らしに三義を訪れ、ここの野山や田園を愛するようになりました。旧山線の土地を購入し、レジャー農業へと発展させたのです。後に訪問してきた友人の称賛と励ましを得て、次第に喆娟夢田の経営に向けたひな型を実現させていきました。客家の飲食に携わる家庭出身の邱喆娟さんですが、喆娟夢田ではかえって客家料理を強調していません。山の上にやって来たのだから、ここの最も新鮮な食材を用いて料理を作るべきだと考えているからです。
喆娟夢田には自家栽培の果物や野菜があり、放し飼いの鶏、卵が得られる素晴らしい農場があります。そして地元の小規模農家による梅干菜、水蕨とカボチャなど、すべてが料理のための食材なのです。喆娟夢田では新鮮さ、オリジナルな味わいによるメニューのない料理を強調しています。看板料理の梅干菜入り煮込み肉、菜尾鴨、レモン風味の魚のフライ、桜エビ入りおこわなど、どれも広く好評を博しています。邱喆娟さんは客人たちがここを自分の家として一緒におしゃべりし、料理を味わい、ともに喆娟夢田の特有の幸せな時間をシェアできるよう願っています。

喆娟夢田では自家栽培の野菜を使い摘みたてをすぐに調理することで、産地から食卓まで距離ゼロを体現しています

小規模農家の食材による客家の創作料理の美味しさ

勝興駅のすばらしい景色を展望できる「山中伝奇」は、かつて彭家の果樹園でした。2002年勝興駅に観光客が詰めかけるようになった後、別の場所で仕事をしていた彭正桾さんは故郷に戻ることを決定し、鉄道の枕木と咲き誇る桐の花をテーマとして「山中伝奇」を設立しました。現在旧山線農業レジャーエリアの理事長である彭正桾さんは、故郷に深い思いを抱いています。心に抱き続けていたのはやはり故郷の小規模農家でした。彭正桾さんは「ここは若者の流出が非常に激しく、残った高齢の小規模農家が家庭を守っています。私たちは彼らを助け農産物を販売する必要があるのです」と述べています。このため山中伝奇は将来的に客家ハンバーガー、客家ピザなど地元の窯焼きパンと中華菓子の皮などを使い、中に小規模農家が栽培した梅乾菜、バラ肉、ケイラン(芥菜)、干し大根などをはさみ、旧山線だけの客家の味を創り出そうとしています。山中伝奇で興味を抱かせるのはやはり客家の擂茶、餅つきと陶土をこねるなどのDIY体験でしょう。園区内にはコーヒーも栽培されています。霧に囲まれた旧山線の山の中で飲む熱いコーヒーや客家の擂茶は、まるでここの客家の人々の人情のようにすぐに心と胃を温めてくれます。

喆娟夢田で飼育されている夢田鶏は、毎日最も新鮮な卵を産んでくれます

山中伝奇の客家の擂茶は、濃厚な香りで美味しく体をいたわってくれます

故郷に戻り幸福な窯焼きパンを焼く

「貝岩居」農場は旧山線にある緑の林の奥に位置しています。ここには邱家の百年を超える古い家屋があり、農場の名前も家屋の裏手から貝殻の化石が発見されたことに由来しています。貝岩居のオーナー邱必義さんは若い頃しばらくのあいだベーカリーに弟子入りしていました。退職後に故郷に戻り技を取り戻し、古い家屋の隣に焼き窯を作り、自家製のパンを近隣の人々にシェアしていました。極めて素晴らしい味わいに、多くの人が購入するためだけにやって来て、知らぬ間に貝岩居の窯焼きパンの美味しさが知れ渡ることとなりました。農場を経営している邱必義さんの息子邱鉦斌さんは考えました。邱鉦斌さんが別の土地から故郷に戻ると、故郷には多くの独居老人がいることを発見したのです。高齢者たちは野菜や果物を自ら栽培しているのにもかかわらず販売する力がありませんでした。そこで邱鉦斌さんは「これらの非常に優れた食材をパンの中に取り入れることができれば、貝岩居でパンを販売することでも、高齢者を助けることができる」と考えたのです。
こうして貝岩居では地元の食材を使用し、摘みたての金瓜、台湾式珠葱の塩漬け、紅麹窯燻桂圓(紅麹とドライリュウガン入り)、紅宝ローゼルなどの非常に評判がよく売れ行きも良い窯焼きパンを販売しています。邱鉦斌さんは貝岩居のパンはよそに卸して販売していません。お客さん自らが店に来て、ここの環境をよく知ってくれるよう願っています。このため邱鉦斌さんは窯焼きパンのDIYを開催しています。観光客が貝岩居に訪れ、自らの手を動かしてパンを作ることで、食農教育を指導し宣伝しています。同時に積極的に農場の生態環境を創り出して生態ガイドの解説を担当しています。多くの観光客がここの自然の静謐な環境を好んでいます。貝岩居のゲートには横向きに「返青富民」と書かれています。貝岩居の現在の状況だけでなく、同時に旧山線の幸せな未来を形容しています。

邱鉦斌さん(左)は故郷に戻り貝岩居を経営し、父親の邱必義さんと一緒に食農教育を推進しています

果肉も楽しめる貝岩居のジャム

鄭さん親子は生態、木工芸術、コーヒーの香りで日の当たる田園、ゆっくりと楽しむコーヒーを創り出しています

心を癒す田園の緑と生態

旧山線に「返青富民」してきた人には鄭恵堃さんも含まれています。10数年前に旧山線を訪れ、心の中にある理想の田園を創り出してきました。空き地はにアカギ、五葉松などの樹木を植え、現在はうっそうと茂る林となっています。2人の息子の鄭橋澤さん、鄭迪陽さんもここで仕事をして家庭を持ち、「向陽田園」民宿と「漫時光珈琲」を引き継いでいます。向陽民宿では自然を重視し、生態エリアを設けています。4月からは桐の花が満開となりだけでなく、5月から6月にはホタルの季節がやってきます。夜には黄緑ホタル、イヌガエルが一緒に賑やかに登場します。このほか民宿では木製のテーブルと椅子と壁のペイントが施されています。多くが親子3人で平日にアイディアを出して創作したもので、自然の素朴な姿を体現しています。
田園全体が、漫時光珈琲で最も観光客の注目を集める場所と言えるでしょう。ここは鄭家親子が一緒にデザインした木造のコーヒーハウスです。白い壁に斜めの壁、園一杯のカラフルな花と草により、ヨーロッパスタイルの風貌が表現されています。漫時光は内部の広々としたスペースはカラフルで明るく、コーヒーと簡単な料理などの軽食を提供しています。店のオーナーである鄭迪陽さんは木工で自ら作製するだけでなく、食べ物に対しても時間をかけ自分で作るわずらわしさを厭いません。例えばコーヒー、パン、ワッフル、カラメルプリンなどすべて鄭迪陽さん自ら作製しています。手の器用な鄭迪陽さんはコーヒーのラテアートを得意としており、20数種類のコーヒーのイラストを描くことができます。自然、木工アートとコーヒーの香りで創り出された雰囲気に、静かで落ち着いた生活の奥深さが集結しています。漫時光に一歩足を踏み入れるとまるで俗塵を離れたかのようです。このため心をリラックスさせて快適で自由自在な時を過ごすことができるのです。

漫時光でコーヒーを一杯飲み、休日の素晴らしさを楽しみにいらしてください