華山を訪れながら台湾コーヒーを飲まずに離れるのは、本当に残念なことです!このまろやかで芳醇な風味を口に含めば、人を惑わせ、尽きぬ後味に魅了されるはずです。
日本統治時代、日本人は雲林県の古坑にアラビカ種のコーヒーの木を植え、優れた品質のコーヒー豆が生産されました。天皇陛下にも献上され、地元のコーヒー産業は興隆を極めました。時代の変遷に伴い、古坑のコーヒー園は次第に荒廃したり転作されるようになりました。しかしながら栽培に適した自然条件は変わりなく、山間部の農家の人々のコーヒーへの感情と記憶はなおも残っていたのです。政府と農家の人々による努力のもと、コーヒー園がゆっくりと帰ってきました。2007年、古坑の華山地区ではレジャー農業エリアが計画されました。地元の豊かなリソースを用いてレジャー観光産業を発展させることで、国内外にも有名なコーヒーのふるさととなりました。華山に来たら、ガイドと体験を通してコーヒー産業を体験してみてください。美しい景色と自然の生態と共に甘く芳醇なコーヒーを啜り、のんびりとおしゃべりしながら面白さを体験すれば、快適な旅が楽しめます。
心配りと巧みな手で育て上げた1杯の素晴らしいコーヒー
珈琲大街の起点となる位置に、華山レジャー農業エリアによって「華山農特産手土産ギフト発展センター」が経営されています。地元の農産物や特産品を展示販売し、旅の情報を提供しています。また様々な体験スケジュールも開催しています。中でもコーヒーの郷の風情を最もよく表現しているイベントは、コーヒーの焙煎とドリップ体験に他なりません。専門スタッフの指導のもと、生のコーヒー豆を陶器製の壺に入れて、炉の上で円を描きながらゆっくりと揺らします。1粒1粒の豆を壺の中でひっくり返し、均等に熱して、生の豆の中の水分をゆっくりと蒸発させます。はじめに壺の中から漂ってくるのは青草の香りですが、1回目の爆発が起きた後にはキャラメルの香りが漂い、続いて豆の色つやを観察して焙煎具合を決めることができます。
葉脈の葉拓DIYは大人からも子どもからも喜ばれるイベントです。自分の好きな葉を採り石膏の上に押し当てて色を塗れば、フレームに飾って持ち帰れる唯一無二の記念品となります。このほか現地では植物染めのDIYも開催されています。創意を発揮し、違った図案を染め出すことができます。
異彩を放つ国宴コーヒー
「重点珈琲」オーナーの劉慶松さんは子どもの頃コーヒーの実を採りおやつとして食べていました。あの記憶の中の甘い味わいは今でも忘れられません。コーヒーに対してユニークな感情を抱いている劉慶松さんは、茶園をコーヒー園へと改造しました。隣人にあざ笑われはしましたが、素晴らしい成果を生み出し、「台湾コーヒー」の名を響かせたのです。劉慶松さんは大量の卵の殻を使い土地を肥やし、泉の水を引いて灌漑しています。またオーガニックな肥料で心を込めてコーヒーの木を栽培しています。栽培、収穫、焙煎、ドリップのすべてを厳格にチェックすることで、苦みや渋さがなく芳醇な美味しさの飲みやすい台湾コーヒーとなり、国内外から多くの観光客がその名を慕いやってきます。2016年劉慶松さんのコーヒー豆は総統就任の国宴での指定飲料となりました。ここにやってくると劉慶松さんのガイドを通してコーヒーの生態、品種と特性の識別を理解することができます。園内で果実が成熟した時には、収穫体験の楽しみだけでなく、殻剥き、焙煎、ドリップを学習でき、コーヒーの香りに満ちた記憶を持ち帰ることができます。
コーヒーを料理に取り入れた山のグルメ
コーヒーは飲むだけでなく、料理に取り入れることもできます。山間部に流れる渓流の隣に位置し、渓流の自然の音が客人を出迎える「天秀山荘」では、非常に特色あるコーヒーを取り入れた料理を楽しむことができます。暑い夏には、まず初めに「無骨珈琲鶏(骨なしコーヒーチキン)」をどうぞ。酔鶏(酔っ払い鶏)の手法で鶏のもも肉を処理しています。ほかの物とは違い、コーヒーを加えて味を染み込ませています。冷たくひんやりとした柔らかなな口当たりで、わずかにコーヒーの香りを帯び、一口食べれば癖になる美味しさです。さらにコーヒーパウダーを過猫(クワレシダ)に振りかけた冷菜「珈琲山蕨」は、爽やかな口当たりに思わず微笑んでしまいます。秋冬の涼しい季節「珈琲チキンスープ」を一碗飲みましょう。穏やかな温かさで、口の中にも香りが残り、胃も心も暖まります。「金瓜米粉(カボチャ入りビーフン)」は地元で栽培された栗、カボチャを炒めています。香りと甘みがあり、お腹いっぱいになります。これらの料理は十分に視覚と味覚を利用して、完璧に大自然からの恩恵を受取ることができます。
憂いを忘れられる庭園コーヒー
「山妍慕夏荘園珈琲」は広々とした敷地面積があり、メインとなる建物は緑色の植物で取り囲まれ、心地よい緑の景観が創り出されています。ドアを押して入ると、まるでガラスでできた小屋のようです。自然な天然の光、地面まで届く窓からは一面の緑が楽しめます。その中で一杯の台湾コーヒーを啜り、ミニ火鍋を食べれば、しばしの間喧騒から離れてのんびりした気分を感じることができます。店のオーナーの頼松志さんは笑いながら「山妍慕夏とはSun and Moonを意味しています。昼から夜までたくさんのコーヒーがお供してくれます。」と述べています。1984年から頼松志さんの両親が豆の焙煎事業を経営していました。様々な模索を経て、華山地区最大の豆の焙煎の顧客代行業者となりました。コーヒーに対する情熱に満ちた頼松志さんは、喜んでコーヒーの知識をシェアしてくれます。またドリップと焙煎のDIYを開催しています。コーヒーの香りに浸りながら、心も体も盛りだくさんで帰路につくことができます。
味覚を虜にする手作り麺
地元の人々と登山客から深く愛されている「橋頭堡」は、手作り麺で広く知られています。橋頭堡ではシイタケ、エリンギ、木耳、タケノコとニンジンを煮込んでスープにして、爽やかで甘みのある美味しさを表現しています。麺は注文を受けてからその場で作っています。さらに自家製の清々しい香りの肉燥(台湾風の肉のそぼろ)と滷蛋(煮卵)を加えて味を際立たせています。もちろん華山に来たのですから、美味しい手作り麺を楽しむほか、橋頭堡で焙煎した台湾コーヒーを味わうべきです。麺を食べた後にコーヒーを一杯飲んで、コーヒーの人を惹きつける果物の酸味に浸る。これを楽しみと言わずして何といえましょう?