オーガニックのリンゴと畜産製品を味わい、手作業で台湾玉の古からの記憶を磨き上げる。寿豊郷に足を踏み入れ、農業と生態が織りなす美と善を心行くまで楽しみましょう。
寿豊は花蓮県内でも毒性フリーの農業生産を積極的に推進しているエリアであり、地元の野菜の栽培や、水産と畜産や養殖の発展を促しています。近年、寿豊では農業からレジャー体験への発展へと転換し、地元のオーガニック産業、生態環境と農村文化を融合させています。農作業に参加することから学び、さらに進んで地元の文化と歴史的な由来を知ってもらえるよう願っています。単純な遊びの楽しみにも、異なる層の重なり合うような感動を得ることができるのです。
子どものための「食の素養」を養う
オーガニック農業に参入してから20年近くになる李家豊さんは、寿豊でのオーガニック農業発展の先鋒部隊と言えます。李家豊さんは子どもの頃、父親と農薬を撒いて野菜を生産していたことに違和感を感じ、毅然としてオーガニック農業へと転向しました。李家豊さんが「佳豊有機農場」の経営を始めてからの3年は情報不足、チャネルと補助の不足などの様々な要素の影響により、支出と収入のバランスがとれていませんでした。しかし「人々が健康に注意し始める時、チャンスはやってくる」と固く信じていました。後に花蓮県政府の協力により毒性フリーの農業の普及へと参入し、チャネルを探し出したことから、経営状況は次第に好転していきました。現在、花蓮の学童は給食で李家豊さんのオーガニック野菜を食べることができます。また2代目の李菡茂さんも農場に加わり一緒に農業に全力を尽くしています。親子2人と学校の協力はさらに一歩進んで、学童の食農教育体験を開催し、上下一世代と農業、糧食と台湾のこの土地を繋いでいます。
自らの手で玉を磨き上げる楽しみ
研磨機がすばやく回転しています。姜錦源さんが観光客の手に握る薄緑色の霧白の原石を導き、角を磨き、馬の皮を使ってつやを出し、輝き滑らかな台湾玉へと磨き上げます。日本統治時代、日本人が豊田山区に石綿の鉱脈を発見し、大量に軍需用として採掘しました。石綿と共生していた台湾玉は、何年もたった後学者が初めて台湾玉だと確認しました。この発見により、農業に従事していた豊田の小さな村は大きく変化し、台湾玉の重鎮となりました。しかし好景気はわずか十数年しか維持されず、地元の玉鉱は廉価な輸入品のヒスイからの衝撃により採掘は停止し、没落していきました。しかし新たな契機により、より多くの違った可能性が開かれたのです。
姜錦源さんは初期の豊田で採掘権を擁していたため、多くのヒスイや石材を保存していました。鉱山業が没落した後、姜錦源さんは卸売りのモデルへと変更し、自分の家を「如豊琢玉工坊」に変え、玉石のDIY観光サービスへと経営を変更しました。観光客自ら台湾玉を研磨できます。台湾玉の知名度を新たに向上させただけでなく、伝統的な産業に新たな命を吹き込んでいるのです。
睡蓮、カエルの鳴き声の心地よさ
早朝、池のつぼみをつけた睡蓮が咲き綻びはじめます。朝日の洗礼を受け、池のほとりのモルトレヒトアオガエルは寂しさに耐えられず、カエルの鳴き声が連なり響き渡ります。この快適さこの上ない田園の風景は、「小雨蛙有機生態農場」オーナーの陳威良さんにより蓮の池の美しい風景が心を込めて創り出されています。陳威良さんと父親は畜産養殖業から起業したのですが、口蹄疫の猛威により農業への転身の可能性を考慮させられることとなりました。何度も繰り返し考慮するうちに、レジャー農業に新たなスタート地点を発見したのです。非常に危険な大病を経験した後、ヘルシーなオーガニックを目標として生態教育パーク、様々な種類のカエル類の復活と育成、オーガニックグルメの発展、養生村の設立を計画しました。睡蓮の花茶は農場内で最も喜ばれている製品です。夜の帳が低く下りた後、小雨蛙農場にはカエルの鳴き声が至る所で響き渡ります。オーガニック農業は農場の環境が生態の多様性をもたらすだけでなく、夜間そこかしこに宝物を探す楽しみが隠されているのです。
(提供:小雨蛙有機生態農場)
採れたてをその場で食べるフレッシュな爽快さ
夏の盛りであっても「江玉宝有機農場」のスクリーンルーム内のミニキュウリと赤や黄色のパプリカは、依然としてしっかりと実っています。子どもの頃から農業に従事していながら、農業についていかれなかったと自嘲する江玉宝さんは、もともと都会にのこり仕事をする予定でした。しかし父親の病気により、田畑を売りに出すのが惜しく、故郷に戻り農作業に従事するようになりました。当初利益を獲得できる速度が速い短期の葉物野菜の栽培を決めていましたが、妻がこの慣例を放棄するべきだと堅持したことから、オーガニックの領域へと足を踏み入れました。絶え間ない研究と学習により、気候への耐性に優れた軽量スチールによるフレームのしっかりとしたスクリーンルームを創り出しました。スクリーンルームではオーガニック百合を栽培し、国宴のテーブルにも上ることとなりました。江玉宝さんは農場をケアし、学校で農業の実務を伝え、青年農家の実務学習に付き添っているため、忙しさに抜け出す暇もありません。このため野菜や果物の値段を黒板の上に書き、観光客が自分たちで収穫し、重さをはかり、お金を封筒に入れて封筒の口を閉じるようにしています。農場経営の誠実なショップです。最も純粋な人間性のスペースで、その場で収穫を体験し、新鮮な野菜や果物を味わう楽しさを提供しています。
郷間庭園で美味しさを探す
山際の道に沿って坂道を登ると、「郷庭無毒農場」で飼育されている鳥の群れが林の間を好き勝手にのんびりと歩き回っています。その名の通りの放し飼いの鶏です。郷庭無毒農場のオーナー張進義さんはもともと会社員でした。接待による体へのダメージを考慮し、家族の協力のもとに養鶏を開始しました。しかし牧畜経験のなかった張進義さんは、最初鳥の死亡率が7割にも達する困難に直面しました。後に自らを頼りに絶え間なく飼育技術を高め、プロフェッショナルな職業能力を向上させることではじめて養鶏の秘訣を習得しました。張進義さんは山の斜面の起伏のある地形を利用し、網を張って区別しています。オープンスタイルの鶏舎を設置し、肉用のニワトリ、卵用のニワトリに広々としたスペースの中で雑草、樹の葉を食ませています。5か月半に渡る放し飼いの期間、ニワトリの群れには一切抗生物質を注射していません。鶏肉はフレッシュで美味しく歯応えがあり、卵は香り高く濃厚で美味しく、人々から深く愛されています。