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宜蘭縣

枕頭山レジャー農業エリア

雪山から湧き出る水はごうごうと流れ、豊かな農作物、美しい人文の景色を育んでいます。この花と果物の郷や野原を歩けば簡単に農村生活の情緒を見つけられ、心も体も盛りだくさんの収穫が得られるのです。

宜蘭員山郷の枕頭山は、その名の通り山の起伏が枕のような形であることから来ています。このほか「風従虎」、「雲従龍」などの古いことわざから命名された望龍埤もまた、地元の非常に有名な観光スポットです。この地は宜蘭で最も早くレジャー農業の発展した地域の1つであり、農場、果樹園と池が各地に分布しています。花の香り、果物の香りと湖の光に満ち、目を向ければ山と水が織りなす一面の緑と水が広がっています。

枕頭山はまるで花と果物の山であり、1年を通じていつも異なる花卉、果物が生産されています。それぞれに特徴を備えた農場、果樹園に足を踏み入れれば、旬の果物を味わえるだけでなく、果物狩りの面白さを体験することができます。業者も農業をより親しみやすく、大自然と共に調和した生活の様相へと発展させています。一緒にロハスな農村の新たな容貌を感じてください。

枕頭山レジャー農業エリア
図:果樹園での食事です。枕頭山レジャー農業エリアの田媽媽たちが心を込めて準備したメニューのない料理は、人と土地の距離を縮めてくれます

時間が醸し出す美味しさ

「阿蘭白手工醋班」の創設者は、当時農家の人々が苦労して栽培した果物がよい価格で売れず、すべて肥料として処理されていたことに心を痛めていました。そこでコミュニティのお母さんたちに号令をかけ、阿蘭白手工醋班(阿蘭白手作り酢チーム)を設立したのです。地元で栽培されている金棗(キンカン)、金桔(マルキンカン)、桑椹(マルベリー)などの新鮮な果物と雪山山脈から湧き出す泉を使用して果物酢を醸造しています。

枕頭山レジャー農業エリア
図:阿蘭城手工醋班では新鮮な果物を使い、1年の時間をかけて柔らかな口当たりの甘く芳醇な果物酢を醸造しています

どのロットの手作酢も、前のロットの発酵した古い酢を呼び水としています。新たに発酵させる果物酢を落ち着かせて香り高く甘い口当たりを向上させるためです。一般的なすばやく製作される果物酢とは比較できるものではありません。手作りで作製しているため、ゆっくりした作業を追求しています。1年以上保存した果物酢には木の香りが含まれ、滑らかなのど越しです。阿蘭城工醋班の裏手にある果樹園は、枕頭山レジャー農業エリアが推薦する「花果野食趣(花と果物の野外での食の楽しみ)」の体験会場となっています。田媽媽は異なる季節に応じて地元で採れた食材を使い色、香り、味をすべて備えた花と果物を野外で味わう饗宴を創り出しています。

「花果野食趣(花と果物の野外での食の楽しみ)」では約6から7品の料理が出されます。すべて田媽媽の得意料理や創作料理で、予約制で提供しています。夜の帳が下りると、グアバとキンカンの木の下に洗練された食卓テーブルが設置されます。ロマンチックなろうそくの火を灯し、心暖まるたき火が設けられます。花、果物、山林の間での食事となり、食卓は幸せの味わいに満ちています。

枕頭山レジャー農業エリア
図:花果野食趣(花と果物の野外での食の楽しみ)の料理には地元の食材が使われています。忠実に枕頭山野物産の豊富さが表現されています

生態の大庭園で果物狩りをのんびり楽しむ

「錦普観光果樹園」には100株を超す梨の樹が植えられています。観光客向けの果物狩りが開放されているだけではありません。果樹園のオーナーである曾錦普さん夫妻も熱心に観光客をつれて梨林へと足を踏み入れ、梨の栽培の生態と農業技術について解説してくれます。

曾錦普さん夫妻が管理している梨の木には、除草剤が一切使用されていません。また慈しみの心により、梨の木を野鳥が巣をかけてヒナを育てるために残してあり、カブトムシが生息しています。曾さんは純朴な笑みを浮かべながら、毎年12月に幸水梨、豊水梨、黄金梨などの温帯の梨の木の穂を果樹園内の平地の横山梨の木に接ぎ木します。新春を迎えて園全体に雪のように白い梨の花が咲き誇ります、と話していました。

横山梨の果肉は口当たりが粗く渋く、あまりおいしくありません。しかし人工的に中高緯度の梨の葉穂に接ぎ木することで大きく甘い、果汁たっぷりの梨の実がなります。毎年5月から7月は梨の収穫期です。果樹園内では続々と幸水梨、豊水梨、黄金梨と新興梨が収穫できるようになります。このほか果樹園は通年を通して紅心グアバ、キンカン、マルキンカン、マルベリーなどの異なる果物が生産されています。果物狩りを楽しみにぜひいらしてください。

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図:錦普観光果樹園の高接梨は果実が大きく果汁たっぷりです

エレガントな鄧伯花(ツンベルギア・グランディフローラ)の庭園

「庄腳所在レジャー農場」は雪山山脈の清く澄んだ水源により灌漑された果樹園で、農場内では鄧伯花(ツンベルギア・グランディフローラ)がエレガントな薄紫の花の景色を創り出しています。風を受けて揺れる鄧伯花(ツンベルギア・グランディフローラ)は小さく可愛らしい花で、人々が訪問や鑑賞、記念撮影に訪れ、ここの紫の花が美しさを競う景色に酔いしれています。

鄧伯花(ツンベルギア・グランディフローラ)の回廊の建築にはレトロな趣があり、木、陶器をメインとした建材に花が彫刻されたドアプレートがいすやテーブルとして使用されています。どれも農場のオーナー呉明一さんのアイディアです。店内のコーヒーは呉明一さんと妻の陳月麗さんが何度も試飲した後、コーヒー豆と水の黄金比率へと調整し、目玉となる「大衆的な味わい」にマッチしています。陳月麗さんは、彼女の淹れるコーヒーは15歳から80歳まで飲むことができ、どんな年齢の人にもマッチすると言ると話していました。また同時に深く女性が好む、喉をいたわり渇きをいやしてくれる甘酸っぱいキンカン茶も推薦し紹介してくれました。花の回廊庭園は涼しく花や木が茂り、ぼんやりとしながら東屋に座り休憩できます。庭園の後半部分には2株の年を経たレンブの樹が植えられており、休憩し涼むためにハンモックが掛けられています。

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図:庄腳所在レジャー農場の鄧伯花(ツンベルギア・グランディフローラ)の回廊は、毎年夏に満開になります

甜蜜蜜(甘い)美味しさ

「橘之郷蜜餞形象館(Agrioz Café)」の総経理である林鼎鈞さんの母親は、当時宜蘭大学で食品加工を教えていました。教科書の理論を実践して果物を蜜餞(果物の蜜漬け)へと加工したのです。宜蘭は金棗(キンカン)の生産が盛んなことから、員山と礁渓の間にある製造と加工に適し、運送しやすい場所を選び蜜餞(果物の蜜漬け)工場を設立して「橘之郷」の自社ブランド製品として販売するようになりました。

後に林鼎鈞さんは母親の蜜餞(果物の蜜漬け)事業を引き継ぎ、工場を転身させて古い時代と新たなイメージを結び付けることにより、当時の生産工場の柱を残してガラスのコーヒーハウスの建設へと進展させました。暖かな日の光を留め、屋外の尽きることのない緑を引き入れることで、空間の美学と歴史の伝承を兼ね備えた展示スペースとしてレイアウトしています。橘之郷を訪れた人がここで心地よく快適なレジャーの雰囲気を感じられるよう願っています。

現在橘之郷では宜蘭の地元の果物を蜜餞(果物の蜜漬け)に加工しています。現代人の味に対応した砂糖無添加のドライフルーツをリリースし、好評を博しています。「甘さを創り出すフィールド」は林鼎鈞さんが時代の変化に対応し、橘之郷に新たなポジションを探し出すためであり、また蜜餞(果物の蜜漬け)を口にした時の、あの恋のような甘い雰囲気を感じてもらえるよう願っています。

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図:林鼎鈞さんは橘之郷蜜餞形象館をエレガントな生活スペースの雰囲気へと新たにレイアウトしました

雨林の生態の中の人生哲学

「波的農場」は台湾で唯一の食虫植物の栽培を専門に、雨林をテーマとして展示している農場です。珍しいウツボカズラ、モウセンゴケやハエトリグサなどの食虫植物が栽培され、大自然の生物チェーンの循環が展示されています。

農場内部は薄明りで薄暗く、湿った空気の中に水が外に向かい流れ、ワラビ類が生い茂りまるで熱帯雨林のようです。至る所に静かに動かないながらも昆虫を飲み込みウツボカズラが下がり、好奇心をかき立てられます。それぞれが集中して農場のオーナー程清波さんの解説に耳を傾け、自然かいの弱肉強食の生存ルールを理解しています。

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図:程清波さん食虫植物の生態解説に人生哲学を取り入れています。インテリジェンスと感性を兼ね備えています。
程清波さんは10年前退職して上海から宜蘭へと戻ってきた後、長年海外での仕事により挫折して悟り修行によってもたらされた人生哲学と、ウツボカズラなどの食虫植物の生態を結び付けています。農場では生産、生態、生活を一体化させ、農場に熱帯雨林のエネルギーフィールドが創り出されています。農場のエアコンにはグリーン建築の概念を採用してデザインしていることから、気流の自然な循環により内部の温度は涼しく爽やかで冷房は必要ありません。ここでも簡単な食事とウツボカズラのお茶のゼリーを提供し、珍しい料理を味わってもらっています。1泊2日のナイトキャンプのスケジュールも計画しており、子どもたちに大自然を師として手本とすることを指導しています。環境、精神とロハスな生活の美学を探索しています。