「雲也居一」とは興味深い名称で、店名を見ただけで、ここが雲を観察するのに都合のよい場所であることが分かる。店は大通公路沿いの、卓蘭地域を一望できる高台に位置している。店構えが人目を引き、駐車に便利で、料理もおいしいので、多くの人に愛される店となっている。しかし、食事はフルーツ狩りに行ってから楽しむのをお薦めする。 圖說:雲也居一は道路沿いに位置し、非常に目立つ。 フルーツ狩りといってもレストランのバイキングでフルーツを選ぶことではなく、カゴを下げて畑に入るフルーツ狩りのことだ。雲也居一の果樹園は認知度が高いだけでなく、「フレンドリー農法」を採用し、無農薬、無化学肥料、無除草による作物栽培を特徴としている。こうした農法では農薬を使用しないので、雑草は増えるが、雲也居一が土地を大切にしていることが分かる。気づくと、耕作担当者のイケメンに引率されて草むらの小道を通り、梅の木の陰に来ていた。 圖說:信じられないかもしれないが、この草むらの後ろに果物の木が隠れている。 目の前の梅の木の梢には白梅がたくさん実をつけてはいるが、どのように摘み取ればいいのだろうか。少しもったいないのは、農薬を使用しないため、果物が鳥や虫に食べられてしまい、収穫量は一般的な農法を採用した場合の3割ほどにとどまり、残りの7割は土地に返すしかできないということだ。 圖說:フレンドリー農法を採用しているため、木の上の桃はすべて無農薬である。 木の上の果物の種類が分からなくて問題ない。担当のイケメンが1つ1つ果物を丁寧に紹介してくれる。話をしながら、プラムを1つもぎ取って渡してくれた。通常の農法を採用していれば、果物を口にするのは農薬を口にするのと一緒だが、フレンドリー農法の果物は残留物を心配する必要はない。受け取ったプラムに思いっきりかみつくと、摘みたての新鮮なプラムの酸味がうれしく感じる。後ろめいた気持ちが少し残ったのは、販売できる3割のフルーツのうちの1つを平らげてしまったからかもしれない。 圖說:雲也居一の自作フルーツへの愛情が感じられる。 雲也居一のメニューの特色は「店内のキッチンで作った創作料理」で、客家の風味と地元産のショウガが取り入れられている。「香薑鶏」(鶏肉の生姜炒め)は食欲を大いにそそるメニューで、口の中でショウガのスパイシーな味と香りがトリのスープに混ざり合い、驚くほどのおいしさを演出する。「起飛雲朵」は塩団子に客家菓子を作る手法を取り入れたスープである。豚肉のみじん切りを醤油と砂糖で煮込んだ肉燥(ローザオ)の味が濃厚で、麺にはコシがあり、店の自慢料理となっている。薑汁撞奶(ショウガミルクティー)や薑汁咖啡(ショウガコーヒー)などは地元のスペシャルドリンクで、どれも一度は口にしてみる価値がある。 圖說:起飛雲朵は独自の創作料理である。 圖說:地元特産のショウガを取り入れたアイスクリーム。 圖說:香薑鶏、ショウガの香りが鼻腔にあふれ出し、柔らかく、それほどの辛さはない。鶏肉の出汁がしみ込んだショウガには深みのある味わいがある。 圖說:蒜香元堤(豚足のニンニク炒め)、豚足が柔らかくに煮込んであるので、ゼラチン質の食感を堪能できる。 フレンドリー農法を応援するなら、家族を連れてフルーツ狩りに出かけてみよう。果物や野菜の旬は、イチゴが1~3月、ダイコンが12~1月、各種野菜が12~4月、タケノコが4~5月、プラムが5~6月、桃が5~6月、パッションフルーツが6~8月、カボチャが6~9月で、非常に多彩な種類が楽しめる。果樹園の収穫時期は予想が難しいので、出かける前に問い合わせてほしい。 雲也居一 住所:苗栗県大湖郷栗林村9鄰薑麻園6号電話:037-951530 圖說:食事時間以外は、必ずフルーツ狩りに行こう。 圖說:右側が通常の農法で、左側が雲也居一のフレンドリー農法、植物の生命力の違いは歴然。 圖說:雲也居一の自家製ジャム製品。 圖說:ショウガクッキーは同店のオリジナル商品。 圖說:イケメン担当者自慢のたくあん、自家生産の無添加商品である。 圖說:同店では清潔でリーズナブルな価格の民宿も経営している。